新田地帯は低湿地
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◇干拓新田の地面は干潟の高さ
新田は干拓により造られた陸地である。土砂が堆積してできた干潟は、干潮になると海面から姿を現し満潮には海中に没してしまう場所である。この干潟を取り囲むように堤防を築いて海水が浸入しないようにしたのが干拓地である。
◇標高がマイナス地帯
このため、干拓新田は標高が非常に低い場所である。『南区誌』には「東海道本線の西側は一帯の低地となっていて海抜が0.5メートルから1.0メートルぐらいで」と書かれている。
地形図の三角点や水準点をみるとそのとおりだが、これらの施設は測量上必要な場所や管理しやすい場所に設けられており必ずしも地域の実態を表しているわけではない。現在は国土地理院のデジタル標高地図でピンポイントの標高を知ることができる。それにより色分けした図が次の図である。道徳前新田が一番低くマイナス0.9mほどで、そのほかの地域もマイナスの地域が広く分布している。このため伊勢湾台風では広い区域が浸水し、なかなか水が引かなかった。
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国土地理院デジタル標高地図で作製
航空レーザー測量のため、川や池などの水面は測量できず、不正確な表示になる
明治新田や5号地は干拓ではなく埋立地なので標高が少し高い。
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◇大潮の満潮 海面下
海面の高さを表す潮位は標高ではなく「NP」(名古屋プレート)を基準としている。標高は東京湾の平均海面が0mだが、NPは、名古屋港の朔望平均干潮面が0mで、標高より1.412m低い。
名古屋港の過去最高潮位は伊勢湾台風のNP5.31mだが、これは標高3.9mの高さまで海面が上がったと言うことである。標高がマイナス0.9mの場所は、水深4.8mになったということだ。
ちなみに令和2年に海面が一番高くなるのは、潮位表によると8月12日と9月10日で、標高に換算すると1.22mである。もし、この時に堤防がなければ、標高1.22mより低い地域は浸水することになる。この地域は、今も相当の低地なのである。 |

名古屋港の潮位
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