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『尾張年中行事絵抄』には祭礼の様子を「氏子中の献燈数多にして、殊にぎわしと」記録されている。
境内は決して広くはないが、鬱蒼と楠や欅の古木が茂り、都心にありながらいかにも清々しい雰囲気を醸している。灯籠の一つには神社でありながら仏教に由来する干支が刻まれており、冨士浅間神社などにも存在するが珍しいものである。
市内に散在するほとんどの神社は、参拝する人も少なく掃除が行き届かない所もあるが、この浅間神社はいつもきれいで社頭にぬかずく人の姿もよく見かける。いかにも下町らしく、永年地域の人々の生活の中に根を下ろしていることを感じさせる。
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『尾張名所図会』
雨の四間道風景。供を連れた武士が浅間社の前を通りがかっている。神社の境内は今と同じように大きな樹が茂り、連なる蔵の屋根越しに五条橋が見えている。 |