外米を扱う商社 加藤商会 | 加藤商会ビルの建築 | なぜ 納屋橋に? | |
年 表 | 改修前の姿 |
なぜ 納屋橋の地に |
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加藤氏は、栄や名古屋駅ではなく、なぜ堀川ばた納屋橋の地を選んで本社ビルを建てたのであろうか? 駅から少し離れていて交通の便が劣り、片側は道路でなく川に面していて地価が安かったから? いや、全くその逆である。ここは、当時の一等地。加藤商会が業務をする上で一番条件の揃ったところだったからである。 当時の様子を見てみよう。 この頃、自動車は日本中でも約5,000台[大正8年(1919)]しかなかった。 当然、交通や輸送は主に徒歩や大八車、馬車、船、鉄道などである。 鉄道の便 当時の名古屋駅は今の笹島交差点の近くにあり、納屋橋からまっすぐ西に向って670m、歩いても8分で行ける。ここからは、東海道本線、中央本線、関西本線が利用できた。 また当時は、柳橋の交差点は交通のターミナルであった。ここに名古屋電気鉄道の始発駅があり、犬山や一宮、津島に向かう電車がでていた。 路面電車の便も良い。柳橋から南に向かっては、築地、稲永に通じる電車もある。納屋橋は大正2年にモダンなアーチ橋に架け替えられたばかり。その上を通る電車は栄を経て覚王山へと通じていた。 このあたりは名古屋でも鉄道の便が非常に良い場所であった。 |
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水運の便 加藤商会は外米を扱う商社だ。名古屋港に入港した船に積まれている米の検品や陸揚げ手続など、港に行く機会も多かったであろう。 堀川は納屋橋と名古屋港を直線で結んでいる。加藤商会ビルはこの堀川に面して建っており、地下室の扉をあければそこは堀川。船に乗れば名古屋港まで最短距離で行くことができる。 右の地図を見ると、この場所は当時一番交通の便が良い土地で、加藤商会は便利なこの地を選んで本社を構えたことがわかる。 |
『大名古屋市全図』 大正11年 |
年 表 |
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改修前の姿 |
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地下室を出ると堀川の岸辺 |
冠のような 正面のファサード |
柱頭飾がこの時代の特徴 |
どっしりとした 石張りの外壁と装飾 |
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ビルでも窓に シャッターが付いていることが、 この時代の建築に多い |
ドアの枠にも上部に装飾 |
正面の部屋はアーチ状 |
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天井には漆喰でレリーフ |
2005/07・2021/02/07 改訂 |
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