花井探嶺作
御花弘法大師像

 小幡緑地に大きな弘法大師像が鎮座している。花井探嶺が手がけたものだ。昭和初め頃、コンクリート像建設がブームとなった時代の作品である。




 小幡緑地に御花弘法大師のコンクリート像がある。
 これは花井探嶺の作品で昭和7年(1932)に開眼供養が行われた。花井は中村区名楽町にある白王寺の観音像(通称:中村観音、白骨観音)を作ったことでも知られている。
 龍泉寺街道を挟んで北の龍泉寺には浅野祥雲作の人物像、南に花井探嶺作の仏像と、コンクリート像製作で双璧をなす第一人者2人の作品が残されている。

 像の横には「上部が剥がれ落ちるので注意」、近くには「マムシに注意」の看板が立てられているが、私が訪問したときには線香が上げられていた。
 まわりの林を見ると、所々にさりげなく仏像が鎮座している。これらを巡礼する人もいるのであろう。


 なお、尾張三大弘法は、この御花弘法、良福寺の開運弘法大師(尾張旭市、作者不明)、退養寺の厄除弘法大師(尾張旭市、浅野祥雲作)の3体で同じ頃に建立された。

 この時代、霊場巡りなどが人々の憩いとして人気があった。昭和9年(1934)には現在の日進市に宗教のテーマパークともいえる五色園(コンクリート像は浅野祥雲作)が開園している。そのような時代背景の中で作られた仏像である。




 2024/12/20