昔の暮らしには神仏が欠かせない。熱田新田ができた1~2年後、熱田新田十四番割の氏神としてこの神社は創建された。この地域は神楽(神楽屋形)が盛んで、今も残されている。 |
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◇熱田新田完成後 まもなく創建 素盞嗚(すさのお)神社は熱田新田十四番割の氏神で、祭神は素盞嗚命、旧社格は村社である。 江戸時代は神仏混淆の時代なので牛頭(ごず)天王を祭り天王社と呼ばれていたが、明治の神仏分離で素盞嗚神社になった。 創建時期は資料により微妙に異なっている。 『尾張徇行記』に熱田神宮社人の松岡太夫書上帳の記録として「十四番割氏神天王社内四畝十六歩、外ニ供田九畝七歩 共ニ御除地、此社慶安三庚寅年勧請ナリ」と書かれ、1650年の創建としている。 『尾張志』には「天王社 同所にあり 當社は慶安四卯年初て勸請すといへり 十四番割の氏神也」とあり、徇行記より1年後の1651年の創建としている。 熱田新田の竣工は慶安2年(1649)なので、それから間もない頃に創建た神社である。 拝殿左には知立神社と秋葉神社が鎮座している。 ◇今も残る神楽 この神社には神楽が残されている。 一般に神楽は神様に奉納する歌や舞を指すが、この地域の神楽は神楽屋形のことである。 元は獅子舞に使う獅子頭を納めるものだったが時代とともに村ごとに競って豪華絢爛になり、屋根の両端に鯱の彫刻、屋根の上や軒下にはびっしりと金箔を貼った彫刻が施されたものになった。祭礼の時は長持の上に屋形を乗せ、昔は担いで、今は台車の上に乗せて太鼓を叩き笛を吹きながら練り歩く。 港区内には37台の神楽が残っているが、その一つがこの神社にある。 拝殿右手の狛犬台座に「大正十三年四月 当所 獅子連中」と刻まれており、この神社の神楽屋台を担っていた人たちが奉納したものである。 |
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秋葉神社・知立神社 |
須成神楽 『名古屋市港区誌』 |
獅子連中奉納の狛犬 |
2023/12/15 |
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