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◇鳥居に水族館の痕跡
入口に立つ鳥居は昭和8年(1933)の建立で、奉納者の中に「水族館主任 石井吉三」の文字があり、かつてこの付近に「名古屋教育水族館」があったことを伝える数少ない歴史遺産である。
◇石柱に太平洋戦争開戦記念
また鳥居際にある国旗掲揚柱と思われる木柱を支える石柱には「大東亜戦争記念」の文字が彫られ、裏面には「昭和十七年五月」とある。
16年(1941)12月に太平洋戦争が始まり、当初の日本は連戦連勝し破竹の勢いで戦線を広げていった。当時の人々が輝かしい戦果を賞賛し、誇らしい気持ちで建立したと考えられる。しかし、建立から1月後の6月に行なわれたミッドウエイ海戦で日本軍は大きな被害を受けて戦局は逆転し、日本は無条件降伏への道を歩き始めている。
なお、文字にはセメントで埋められたような跡があるが、戦後に進駐軍をおもんばかって埋めたのではなかろうか。
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