道徳前新田の鎮守
稲荷神社(道徳稲荷)
 道徳前新田は開発後、戦災や空襲など何度も災厄に見舞われてきた。それを克服する人々の拠り所となり、見守ってきたのが稲荷神社である。




 境内の由緒碑には文政3年(1820)8月15日の建立で、本殿と稲荷社に祀られているのは倉稲魂命(うかのみたまのみこと)で、末社として秋葉社・多度社・池鯉鮒(ちりゅう)社・熱田社・神明社があると書かれている。旧社格は村社である。

 鳥居の右に昭和30年(1955)に建立された道徳前新田の「新田開築百三十五年」碑と、37年(1962)に建立された、戦災や昭和34年(1959)の伊勢湾台風での被災を復興した記念の「復興記念碑」がある。

 境内に青峯観音が安置されているが、元は道徳前新田の西北堤防(現:南陽通)にあったものを、昭和15年(1940)に市電敷設の障害となりここへ遷座した。天保8年(1837)の年号が刻まれた古い観音像だったが、いつの間にか無くなり、今のものは昭和37年(1962)に再建したものである。


「新田開築百三十五年」碑


「復興記念碑」

青峯観音





 2023/09/01