味鋺は尾張万歳の発祥地で、明治初期まで各地を巡遊していたという。現在は知多市にその芸が残されている。 |
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万歳とは新年を祝う芸能で、大夫と才蔵の2人が小鼓を打ちながらお目出度い言葉を節を付けて謡いながら所作をする伝統芸能である。 味鋺は尾張万歳の発祥地である。13世紀半ばに長母寺の無住国師から陰陽道と万歳を教わり、代々伝えられた。 『尾張名所図会』には、味鋺村には陰陽師(おんみょうじ)が16人いて、占いやおまじないを行うともに、正月には万歳をして美濃・信濃まで巡遊していたという。明治初期まで続いていたとのことである。 尾張万歳は知多地方を始め各地に伝えられ、現在は知多市にある尾張万歳保存会が芸を引き継いでいる。 昭和32年(1957)に知多万歳として県の無形文化財、平成8年(1996)には尾張万歳として国の重要無形民俗文化財に指定された。 筆者が子どもの頃(昭和30年頃)、正月には2人連れの万歳師が各家を回っているのを都心の街角で見かけたが、いつの間にかいなくなってしまった。 現在は門付けに出ることはなく、イベントなどで公演が行われているとのことである。 |
2024/11/18 |
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