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◇神宮の法華堂を移築 創建
妙光山本遠寺(ほんのんじ)は日蓮宗の寺で、室町時代初期の応安年間(1368~75)に創建された。
江戸時代の資料には法華堂本遠寺と書かれているものが多い。熱田神宮にあった法華堂を移転して創建したからだ。この法華堂は、延暦年間(782~806)に最澄が建立して法華経百日の修行をし、日蓮もここで百日読経して立宗の祈願をしたと伝えられる由緒ある建物であった。
日蓮の孫弟子である本乘院日澄が熱田神宮の神官に頼んで譲り受け、この地に移設して創建したのでこのような呼称になったのである。
◇紹巴が連歌の会
永禄10年(1567)には連歌師の里村紹巴(じょうは)が富士を見に行った旅の帰路、8月7日にこの寺で連歌の会を開いた。『紹巴富士見道記』には「七日には法花(ママ)堂本遠寺にして決行 わたつみの玉やうかへる雲の月」と記録されている。
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