小社だが格式が高い
青 衾 神 社
 熱田神宮の西に青衾神社という珍しい名前の神社がある。街中の小さな神社だが延喜式神社で神宮の摂社だ。しかし祭神は色々な説がありはっきりしない、不思議な神社である。




 青衾(あおぶすま)神社は小さな神社だが、延喜式神名帳に「愛知郡青衾神社」、本国帳に「正二位青衾名神」と記載される古社で、熱田神宮の境外摂社である。
 摂社とは本社の祭神と縁故の深い神を祀る神社で本社に次いで格式が高く、末社は摂社の下の格式である。
 なお、「衾」とは、昔の寝具で今の掛け蒲団にあたるものである。

◇祭神 諸説あり
 古くからある神社で格式も高いのだが、祭神については色々な説があり『名古屋市史』には次のように書かれている。
・一説に饒速日命(にぎはやひのみこと)で、この神は越智直(おちのあたえ)の先祖神である。
・天野信景の説では、愛知郡の産土神である。「うぶすな」と「あおぶすま」は発音に共通点がある。
・祭神記では、天道日女命(あめのみちひめのみこと)としているが、根拠は不明である。
・津田正生は尾張氏の祖先神である天香語山命(あめのかごやまのみこと)としている。
この他にも色々書かれているが、決定的な説はないようである。

 熱田神宮のホームページには祭典・行事案内に青衾神社祭として令和元年9月13日の記載しか見つからなかった。

 高座結御子神社や氷上姉子神社も、ここと同じ延喜式神社で熱田神宮の境外摂社だがずいぶん規模が違っている。どんな理由でどんな歴史で、このような違いが生まれたのだろうか。祭神と共に謎である。





 2022/02/23