今では絶滅危惧種
『小治田之真清水』

伝馬新田にアシカ

 今も時々、都会の海岸や川に珍しい生物が訪れてニュースになるが、江戸時代の半ばに伝馬新田にアシカが来た事が記録されている。





 『小治田之真清水』に、
 享保20年(1735)4月5日に伝馬新田〔当時の精進川(現:新堀川)河口南東付近〕の海岸でアシカが見つかり漁師達が打ち殺した。アシカは岩場で波の荒いところを好み、紀伊の白崎沖に冬や春はたくさんおり、伊良湖崎にはあしか島と呼ばれる島もあるが、熱田前のように平穏な海に来る事は珍しい
 と書いてある。

 日本アシカはかつては日本各地に生息していたが、明治から大正にかけて大幅に数が減り、平成3年(1991)のレッドデータブックでは絶滅とされた。しかし平成20年(2008)の同書では、過去50年以内に生存報告〔昭和49年(1974)に捕獲〕があることから絶滅危惧種に変更されている。





 2023/06/16