咲きほこる大輪   
  名古屋あさがお 
  「あさがおに つるべとられて もらい水」
かの有名な千代女の句ですが、名古屋には釣瓶をとらない朝顔があります。 


   名古屋には朝顔の変わった育て方が伝えられている。
 「名古屋式盆養切り込み作り」と呼び、姿は盆栽のように小さく、花は普通の倍くらいの大きさに咲かせる方法である。
 写真のように、草丈はわずか20cmくらいで花は15cmもある。
 育て方は、最初の蔓を本葉数枚残して摘芯し、横から出てくる蔓も短い位置で摘んでこの様な姿に仕立てるのだそうだ。大輪の花が咲くように品種改良された種も売られている。
 

   ずいぶん変わった仕立て方である。
 明治10年頃から始まったといわれ、明治の半ばには非常な人気となり、広く普及した。

 このような上品な姿なので、庭先だけでなく床の間にも飾られる。
 花の季節になると品評会も開かれ、愛好家たちが丹誠込めて育てた鉢を持ち寄り展示される。
 



 1997/01/08