愛知県最初の総理大臣
加藤高明 記念碑
 西大須公園に加藤高明の碑がたっている。
 愛知県出身の最初の総理大臣で、普通選挙法を施行した功績と共に、治安維持法を制定したことでも知られる人物である。




 西大須公園にひっそりと「総理大臣伯爵加藤高明閣下記念碑 名古屋市長大岩勇夫」「大正十三年七月二十日」と刻まれた石柱が建っている。

◇加藤高明とは
 加藤高明(たかあき)は、安政7年(1860)に下級の尾張藩士(佐屋代官所の手代)の子として生まれ、名古屋洋学校(現:旭丘高校)から東大法学部へ進んだ。
 明治14年(1881)の卒業後は三菱へ入社し、20年(1887)から官界に入り駐英公使などを歴任し、その後政界に入り衆議院議員や貴族院議員になると共に外務大臣を4回勤めた。
 大正13年(1924)6月に内閣総理大臣になり、15年(1926)1月の在任中に66歳で亡くなっている。

 総理大臣に就任した翌14年(1925)にはそれまで納税額により制限されていた選挙権が、25歳以上の男子全員に認められる衆議院議員選挙法の改正(普通選挙法)を行っている。しかし、これに合わせて戦前の思想弾圧に使われ悪名高い治安維持法の制定も行っている。


◇碑などの設置
 この紀念碑は高明が総理大臣に就任した翌月に建設されたものなので、就任を祝ったものであろう。

 高明が亡くなった後、昭和3年(1928)に初めての普通選挙が行われ、名古屋新聞社(現:中日新聞社)が鶴舞公園に普選記念壇(野外劇場)を寄附し、同じ年に愛知県民有志により銅像も建設された。しかし戦争の激化により銅像は19年(1944)の金属供出で撤去され、今では台座だけが残されている。




 2021/11/22