名古屋港で一番古い神社
築地口神社
 地下鉄築地口の2番出口すぐ東南に、築地口神社が鎮座している。
 細長くあまり広くない境内だが、名古屋港で一番古い神社とも言われ、永い年月を港とともに歩んできた神社である。




 現在は築地口神社と呼ばれているが、入口に立つ標柱には「築地神社」と刻まれている。ここから少し東南の場所にも「築地神社」がある。一体どうして同じ名前の神社が二つもあるのだろう。

 『港区誌』に収録されている座談会での発言に次の記載があった。
 「昔、築地、港楽は、各町内毎に神社がありましたが、戦前に築地神社一つに固めました。しかし今でも築地口交差点の南東を少し入ったところに、築地口神社が残っていて、あの神社が名古屋港最初の神社だといわれ、昔はあれを築地神社といっていました」
 元は「築地神社」と呼ばれていたが、その後別に築地神社ができたので、標柱はそのままで「築地口神社」と呼ぶように変わったとのことである。


 祭神は熱田社・津島社・秋葉社の3柱だ。
 境内に建つ由緒書には創建時期についてはっきりとした記述がなく、昭和37年(1962)の都市計画施行で現在の境内になったと書かれているだけである。

 築地が付く神社は3社有る。この築地口神社と築地神社・東築地神社である。このなかで一番古いのがこの神社である。ちなみに東築地神社は明治44年(1911)、築地神社は昭和13年(1938)の創建である。神社名の標柱や鳥居・灯篭などには昭和7年(1932)と彫られており、もとは町内毎に祀った神社と言う事から創建の時期は不明だが、この年に境内の整備が行われたと考えられる。






 2023/06/10