船方工場再建にあたり
愛知時計電機 慰霊地蔵

 愛知時計電機本社の入口に、お地蔵さんが建っている。
 太平洋戦争の熱田大空襲でたくさんの犠牲者がでた。戦後になって船方工場を再建するにあたり、この地蔵を建立して空襲犠牲者の霊を弔ったのである。




 熱田大空襲の時、愛知時計電機(株)では、22,000人が就業していて、爆死者1,145人、重軽傷者3,000名の犠牲者を出し、さらに周辺の民間人1,000人も死亡した。
 昭和24年、終戦から5年を経て船方工場の再建にあたり、写経を埋めこの地蔵を建立した。

 台座に次の文字が刻まれている

  地藏尊建立縁起
 過グル第二次世界大戦當時 當愛知時計電機株式會社ニハ從業員並ニ動員學徒ヲ併セ二萬二千名就業セリ 
 時ニ昭和二十年六月九日午前九時三十分ヨリ同四十分ニ至ル約十分間ノ空襲ニヨリ 忽チニシテ工場一帯ハ當社関係死者一一四五名 重軽傷者三〇〇〇名 更ニ地方人死者一〇〇〇名ノ一大修羅場ト化セリ
 嗚呼惨シイカナ 茲ニ終戰後五年船方工場再建セラル丶ニ當リ 同志相謀リ隨喜ノ寫經ヲ埋藏シ 地藏尊一軆ヲ建立シ 以テ右殉國諸靈魂ノ冥福ヲ祈ラル
 各靈位 願クハ此ノ功徳ニヨリ佛果菩堤ヲ證得セラレンコトヲ

    昭和二十四年六月九日      覺王山主  勅賜襌師瓏仙記





 2023/04/02